Heroku Private Spacesは、セキュリティが重視されるアプリ向けに、dyno と特定の Heroku アドオンをエンタープライズクラスのセキュアなトポロジで実行できる専用環境を提供するものです。それぞれの Private Space には、他のスペースのアプリとは別のネットワーク、ルーティング層、コントロールプレーンが用意されます。Heroku Enterprise の Private Spaces を利用すれば、データ保護や変更管理に関する厳格な要件を満たした Heroku アプリを開発、運用することができます。Private dyno を実行できるのは Private Space で稼働するアプリのみです。
Private dyno
Private Space に置かれた dyno は、その Private Space の一部として設定されている仮想プライベートネットワークを介して相互に接続されています。Private dyno には 6 つのサイズがあり、それぞれ Performance dyno と似た特徴がありますが、容量は Performance dyno よりも大きくなっています。Performance dyno と同様に Private dyno でもプロ仕様の機能を利用でき、基本となるコンピューティングインスタンスが他の dyno との間で共有されることもありません。そのため、Private dyno は Standard 以下のレベルの dyno よりも強力であり、パフォーマンスのばらつきも少なくなっています。
プライベートランタイムと Dyno Manager
Private dyno の間では専用の Dyno ランタイムと Dyno Manager が共有されるので、さまざまなメリットがあります。たとえば、特定の Private Space に存在する dyno 同士なら、プライベートネットワークを使って直接通信することができます。また、Private Spaces に存在する dyno は特定の Heroku アドオン(Heroku Postgres、Heroku Key-Value Store、Apache Kafka on Heroku など)ともプライベートネットワーク経由で直接やり取りが可能です。