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田中 宏樹さんと、坂内 明子さんと、Developer Evangelistについてのお話

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Salesforce のDeveloper Evangelistの田中 宏樹さんと、その上司でHead of Customer Success Group Marketing & Adaption Programの坂内 明子さんをお迎えし、Salesforceでの開発や、顧客視点でのマーケティングTrailblazer Communityについてお話しをいただきました。Herokuユーザには多くの開発者がいらっしゃるので、SalesforceとHerokuどちらのリスナーにも興味が出るような内容を提供しています。


ショー・ノート

  • お二人の自己紹介
  • Salesforce Developer Evangelistの日常
  • Salesforceが考えるアプリ開発の姿について
  • 日本でのDev コミュニティついて
  • アナウンスメント

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トランスクリプト

永野: 私は、SalesforceでHerokuを担当している永野 智です。このエピソードは、Dev Lifeがテーマとなります。ゲストとして、SalesforceのDeveloper Evangelistの田中 宏樹さんと、その上司でHead of Customer Success Group Marketing & Adaption Programの坂内 明子さんをゲストにお迎えしてお送りいたします。では皆さんよろしくお願いします。

坂内, 田中: よろしくお願いします。

永野: はい、ありがとうございます。あんまりHeroku関係者じゃない人が、出演していただくのは初めてなんですけど。まずは皆さん、お名前とか社歴とか自己紹介をお願いしたいと思います。じゃ田中さんからお願いします。

田中: はい。セールスフォースのカスタマサクセス統括本部で、Developer Evangelistをしている田中広樹です。

永野: はい、では坂内さんお願いします。

坂内: 皆さんこんにちは。セールスフォースでお客様向けのコミュニティー、開発者の方も含めコミュニティの活性化や、活用促進のプログラムのマーケティングを担当としている坂内 明子と申します。本日よろしくお願いいたします。

永野: よろしくお願いします。Heroku関係者じゃないみたいな言い方も、何かおかしい言い方ではあるんですけど。Herokuのイベントとか今までは関係なかったと思うんですが、日々の活動をこれからお聞きしたいなと思ってます。初めに、何故セールスフォースに入ったのかとか、社歴とか、そういうものをちょっとお聞かせいただけますか。どちらでも結構です。

坂内: 田中さんから。

田中: 私からお話しさせていただきます。セールスフォースは5年になりますね。永野さんと一緒ですね。

永野: あ、そうだよね。ブートキャンプ一緒だったよね。もう遠い昔のような感じ。

田中: 最初は今とは違って、Demo Engineerというロールで入って、役割としてはDemoで、お客様にお見せするような画面であったり、機能の作成であったり、あとはお客様の要件を実際にセールスフォースで満たせるのかといった検証を担当していました。 実際4年やったんですけれども、約270社ほどのお客様の提案に関わらさせていただいて、去年、Developer Evangelistに社内で転職させていただくことになりました。今は、Salesforce Platformを多くの方に知っていただくための情報発信であったり、日本のセールスフォース開発者の皆様へのサポートなんかを担当させていただいています。 なぜセールスフォースに入ったかって言うと、これはもう端的に、Codeを書きたかったからだったんですよね。何でもいいから書きたかったです。 以前は、プロジェクトに入って、上流工程だったので、設計であったり、品質保証みたいなところをやっていたんですけども、大学ではコーディングやっていたので、やりたいなと思っているところで、セールスフォースの方からお誘いいただきまして、入ったという経緯になりますね。 永野: セールスフォース入ると、コードって、そんなに沢山書けました?

田中: それが書けたんですよ。デモエンジニアチームは特殊なチームで、本当にコーディングばっかりするチームなので。私、セールスフォース自体あんまり知らなかったですよ、正直入る時は。面接の時に、どれぐらいコーディングするのかなっていうの知りたかったので、「実際業務何パーセントぐらいコーディングしますか」って聞いてみたら、そのチームの人が答えてくれたのは、「80%ぐらいはコードを書いています」って、言ってくれたんですね。実際入ってみると、本当に80%どころか90%、好きなだけコードを書けたっていうところがあるので。一般的なAWSとか、皆さんが趣味でやってるようなところでやるものとは違いましたけど、それでも外部のハッカソンに出て賞をもらえるようになるぐらいの、技術力はついたかなと思ってますね。

永野: なるほどね。今の業務っていうのは自分がなりたいって言って、なったんですか。

田中: やりたかったというのもありますね。そもそも私の気持ちとしては、4年間デモエンジンアやってきて、何も分からないところから始めたっていう経緯もあって、その中で色んな人に教えてやってきた訳ですけれども、ネット上でブログ書いている人の記事読んだり、デベロッパーコミュニティーで発表されている方のお話を聞いたりして、そういったところから色々吸収して、学んで、ここまで来れたっていうところがあるので、何らかの形で還元したかった。私と同じような人たちにも、何か私が持っている知識を使って、役に立てないかなって思っていたんです。行動としてはですね、Qiitaで記事を書いてみたりしていたんですけれども、そのタイミングで周りの方から、デベロッパーエバンジェリストやってみたらって言われたんですよね。他のチームの方から、5人くらい、こういうのあいてるみたいだよとか、あってるじゃない、やってみたらっていう風に言われたのが、やっぱり一番大きかったかなって思います。

永野: ちなみにデモエンジンアって何人いて、デベロッパーエバンジェリストって、セールスフォースジャパンに何人いるんですか。 田中: デモエンジニアは私が移動した時点で、マネージャーを含めて7人でしたね。今デベロッパーエバンジェリストっていうロールを持ってるのは、日本では私ひとりです。

永野: なるほど。じゃ唯一無二の、デベロッパーエバンジェリストでやってくぞってことなんですね。なるほどありがとうございます。坂内さんは、凄い長いことセールスフォースいるような気がしてるんですが。

坂内: 私2004年に入社してるんで、今さら何で入ったかと言ってもあれなんですけど。

永野: まだ六本木だったときですか?

坂内: いや、全然六本木どころか、私面接渋谷なんです。一番最初渋谷で、その次恵比寿で、その後六本木。で、今のJPタワーになってるんで。面接だけ渋谷のマークシティーでやったんですけど、初代社長と。何で入ったかって言うと、留学してた時に、CRMがこれから日本にも来るらしいよみたいなことを勉強したりとかですね、一応インターン中にセールスフォースという名前を聞いて興味はあって。日本にもあるということで電話して、新卒なんだけど取ってくれるだろうかと聞いたら、5分ぐらいの面接で採用されてですね。社員の人の話とかも色々聞いたんですけど、まだ間もないのに1-1-1モデルがあったりとか、社員の人がセールスフォースの製品大好きだったりとか、マークのプレゼン聞いてもカリスマ性が凄かったりとか。勘で入っちゃった感じですよ。

永野: じゃあそれまでは、何も聞いたことなかった。

坂内: アメリカで初めて聞いた感じです。

永野: そう言えば、僕もMBAのクラスかなんかにセールスフォース来たわ。

坂内: あ、そうですか。

永野: うん、廻ってんだよね、ビジネススクールに。

坂内: 2004年当時なんですけど、新しいビジネスモデルということで、そこそこの社数はあったんで。 永野: 結構カッコ悪かったですけどね、印象としては。画面とか見てみたけどカッコ悪いみたいな。

坂内: だんだん良くなってますから。 永野: 今はLightningですからね。

坂内: そうですね。でも、ちょっとおしいなみたいなところがね、どんどん成長していく感じが堪らないんですよね、私としては。

永野: それでも、ずっと同じ業務じゃないですよね。

坂内: 違います。最初は一応インサイドセールス、今で言う。何でもしてましたけど、その時に社員30人ぐらいしかいなかったので。しかも私一番若くてね、何でもやらされてた感じだったので。

永野: まだまだお若いでございますよ。(棒読み)

坂内: ありがとうございます。インサイドセールスをしながら、アウトバウンドとか、インバウンドとか、社名言ってもまず社名が分かってもらえないので、その時は。

永野: じゃぁ電話かけまくって。

坂内: そうですね、電話かけまくったり。あと段ボールで本棚を作ったりしてましたね。創業当初は。

永野: 営業職はそこまでですか。

坂内: それ2年ぐらい、2年弱ですかね、インサイドセールスで。その後6年半、カスタマーサクセス部、日本で初めてだと思うんですけど立ち上がったので、その時カスタマーサクセスマネージャーとしてお客様の活用促進をして。ちょっともう少し、製品とかプリセールスやりたいなということで、SEに移動したんですね。それで3年ぐらいかな。はいプリセールスで、いわゆる田中さんが以前やられてた、デモエンジニアの皆さんに、開発のデモ環境をサポートしてもらいながら、プリセールスのエンジニアをやって。その後育休に入って、戻った時に、今のカスタマーサクセスグループという、いわゆるポストセールス全般の部門ですね、の中でユーザーグループとか、コミュニティとかから始まり、色々お客様向けのマーケティングプログラム全般を担当するようになったというのが経緯でございます。

永野: なるほど。ご自分でこうなりたいなと思った職種を選んでる感じですか。

坂内: 私結構飽きっぽくって、自分でやる事やったかなってなると、次どうしようかなって考えてるタイミングで、意外とタイミングよく、「これやってみない」みたいな声が掛かったんですよね。カスタマーサクセスマネージャーにしろ、SEにしろ、今のポジションにしろ、SEはもう少しやりたかったんですけど、たまたまタイミングがあって今のポジションになったんですが、縁があってタイミングがいい時に声を掛けてもらえたかなという感じですかね。

永野: なるほどね。社内で結構移動する方もいらっしゃいますし、勿論他でキャリアパスを選ばれる方もいると思うんですけど。僕は入社してからずっとHerokuで、あんまり他のこと考えたことなかったので、人のキャリアパスを社内で変えていくっていうところに、面白いことがあるんだなっていうことは今思いましたね。はい、ありがとうございます。実際にデベロッパーエバンジェリストの日常みたいなところの話にいこうと思うんですけど。田中さんて、今まで毎日コーディングをしてた時から、エバンジェリストになって、やることとか変わったんですか。

田中: もう全然違いますね。まず仕事のやり方が全然違っていて、デモエンジニアって商談があって、そこからこういうデモを見せたいですっていうので、こういうのを作れませかっていう依頼が落ちてくるんですよね。なんですけど、デベロッパーエバンジェリストは基本的にマーケティングであったり、開発サポートっていうところになってくるので、依頼が来ることはほぼないですね。なので自分で、今何が必要なのかなとか、開発者のために何ができるのかなと考えながら、こういうのやってみたいですけどって坂内さんに相談しに行くっていうところから仕事が始まりますね。

永野: 今エバンジェリストになって、何か月ぐらいですか。

田中: 半年くらいですか。

坂内: 去年の10月からですよね。

田中: そうですね10月。

永野: その6か月間で印象に残ったこととかありますか。

田中: 印象に残ってことですか。うんそうですね、まず初めてのWebinar実施とかもありましたし、今だとLightning Web Componentsっていう技術をセールスフォース出していて、それをパートナーの方20名程集まっていただいて、一日のセミナーをやってみたりっていうことをやってましたね。

永野: なるほど。業務的に新しいことがやれたっていうのが印象に残ってる。

田中: そうですねはい。

永野: 実際エヴァンジェリストが達成するべき目標、KPIみたいなのあるんですか。

田中: それは、まだまだ試行錯誤中なんですよね。チームとして、どういうことをしましょうかっていう話をしながらでもあるんですけれども、セールスフォースの開発者向けエバンジェリストって、結構特殊なんじゃないかなって僕は思っていて。例えば、他社のデベロッパーエバンジェリストであれば、プラットフォームを開発者の方が従量課金で契約して買っていただくっていう形もあるんですけど、セールスフォースの場合、個人向けにプラットフォームを売るってことはまずないですよね。Herokuはあるとは思うんですけど。なので、デベロッパエバンジェリストはプラットフォームマーケティングすると言っても、売るためのマーケティングをしないんですよ。

何をするかっていうと、「セールスフォースって何なの」っていうところのブランディングを強化していくっていう活動になると思うんですね。どういう効果があるかって言うと、結局セールスフォースの開発者が、 開発していく上で、できるだけ心理的なストレスを減らしていく効果があると思っていて。セールスフォース初めてやった人って、結構制限の多さとかでびっくりしたりとかですね、何で他だったらできるのに、セールフフォースではできないのって思うところはあると思うんですけれども。セールスフォースの目的みたいなところを発信していくことで、セールスフォースだとこうだよねと納得しながら開発していける、逆に強みっていうのを生かした開発をしていける、っていうところをできるようになっていただくような、そんな情報発信をしていく。これはセールスフォースのデベロッパーエバンジェリスト、一つの目的かなとは思ってますね。

永野: なるほどね。結局伝道師として何を伝えるかというところが、セールスフォースに特化した、こんなに簡単にできるだよっていうようなところが伝わっていくっていうのを、どう数値化できるかとか定性的に取れるか、みたいなことがこれから模索し重要になってくるって感じなんですね。

田中: そうだと思ってます。

永野: なるほど。実際にデベロッパーエバンジェリストとして、こうなったらいいなみたいなところってどんな感じなんですかね。企業エンジニアの人が対象にはなっちゃうと思うんですけど、例えばセミナーで何百人も集めたみたいなものが目的なのか。どんな感じですか。

田中: やっぱり開発者個人の意識が変わっていくことが一番重要だと思ってます。どういうことかって言うと、開発者って、最初私もそうでしたけど、ものづくりが好きなんですよね。開発していて、楽しい、できた、みたいなところになってくるのが、やっぱり楽しいなと思っている人も多いと思うんですけど。仕事で、ものを作るっていう時に、その先のお客様の実際にそれを使えるかとか、それを使ってビジネスが大きくなっていくかっていうところを、どれだけ意識していけるかっていうところが、仕事で開発者をしていく上では重要なのかなと思っているので。単純に自分が書いて楽しいだけじゃなくて、これを使ってお客さんのビジネスであったり、自分の会社のビジネスっていうのを大きくしていく、成功させていくっていうところを意識していってもらいたいなと思ってますね。

永野: 次のトピックにでも話そうかなと思ったんですけど、僕が今、田中さんのお話を聞いて思ったのは、セールスフォースって、会社に入ってから覚えるような内容じゃないですか。個人で使えるものではないし。だから、例えばJavaだとかRubyだとかって、オープンソースの言語だと、学生の時から覚えてっていうところのパスがあって。セールスフォースだと、会社に入って覚える、セールスフォース導入している企業でっていうところからのスタートなので、ちょっと他のデベロッパーエバンジェリストと考えてるやり方と違うのかなと思ったんですけど。やっぱり対象としては、企業エンジニアっていうところがメインになってくる感じなんですか。

田中: そうですね。一つはその通りです。会社に就職して、セールスフォースを使っていたとか、セールスフォースのプロジェクトをやっていたからセールスフォースに入りましたっていう人達がメインのターゲットになるんですけれども。もうちょっと先の話をすると、私としてはですね、セールスフォースをやっている、プロジェクトをやっているからその会社に入りましたとか、セールスフォースを使って、うまくビジネスを廻しているから、その会社に就職しましたみたいな。セールスフォースの開発者になりたいって思う人を増やしていきたいっていうのは、一つ夢としてありますね。

永野: じゃもうそこになるとHerokuとかもMixしてやってもらうといいかもしれないですよね。Herokuだと言語の数も増えるし、言ってみれば何でも動くようなプラットフォームではあるので。無料で使えますからね。だから業務の内容に入れてくださいって坂内さんお願いしてもらうように。

坂内: いいよ、別に。

田中: やりたいですよ。すごくやりたいですけど。あの正直ですね、セールスフォースのプラットフォームと言われてものだけで、結構量が多いですよ。

永野: あ、じゃ人を増やしてって感じかな。

田中: そうですね。

永野: なるほどありがとうございます。次のトピックに行く前に、今デベロッパーエバンジェリストになって6ヶ月経って、「これやっとけば良かったな」とか、これからなろうかなって思ってる人に何かアドバイスありますか。

田中: 「やっとけば良かった」は、マーケティングの勉強ですね。やっぱり一番今困ってるのは、マーケティングの基礎知識がないっていうところで、やり方が分からないというよりも、周りの人を説得する方法がわからないっていうところが大きいです。こういう理由で、こういう検索したいですけどっていう時にですね、何でやりたいみたいなところのデータの分析方法とか、データをどう説明するのかっていうようなところを含めて、マーケティング知識が足りなかったなって思ってます。なろうと思っている人にどんなことをいいかと言うと、6ヶ月くらいしかやってないのであんまり言えることはないですけど、今思ってるのは、自分が話す製品を好きであるということですかね。でも、そこに依存しないことだと思ってます。というのも、自分が好きじゃないものを話すっていうのは話す内容も変わってきますし、好きなものを話した方が絶対に伝わるとは思うんですよ。依存しないっていうのは、結局そこを否定された時に怒っちゃいけないと思うんですよ。冷静にそのものを好きでいるっていうのが必要かなと思っていて、そういう意味で依存しないって、思ってますね。

永野: 先程仰られていた通り、待っていて何かが起こるような仕事じゃないっていうところから、色々自分で試さなきゃいけないし、そのためには好きでいなきゃいけないって感じですかね。

田中: そうですね。あとは、納得できないこともあると思うんですよ。セールスフォースに関していえば、いろんな製品ありまして、いろんな技術も入ってきてて、聞いた時に、「なんでこの機能出したんだろ?」みたいなことを、一瞬思うこともあるんですけども。それを仕事として周りの人に伝えていかないといけないっていう立場にいる以上、自分の中でちゃんと正当化しないといけないですよね。そのためのデータであったり、ストーリーっていうのをしっかりと見つける努力をしていかないといけないので、そういう意味でも全体として好きであることは重要だと思ってます。

永野: なるほど、ありがとうございます。このお話を広げていくような形で、次のトピック行きたいと思うんですけど。今アプリを一つ開発しようとセールスフォースの技術を使おうと思っても、色々な選択肢があると思うんですね。勿論セールスフォースは買収を広げているし、Herokuもその中の一つです。Mulesoftとか、Tableauとか買収を重ねていて、B2BだけじゃなくてB2Cとか、Direct to Consumerのアプリ開発みたいなものが出てきて、オープンソースみたいな色々な言語が使えるようになってきてると思うんですけど、そもそもセールスフォースって、アプリ開発ってどうあるべきだと考えているのかを聞きたいなと思っています。勿論デベロッパーエバンジェリストとして、Declarative な No-Code/Low-Codeがいいですよって言ってるだけだと、コーディングしてる人にとっては、「えっ?」て感じだし、逆にコーディングしていない人達にとってみれば、「何で色々書かなきゃいけないの?」みたいなことだと思うので、セールスフォースがどこに向かってるのかっていうところ、田中さんの言葉でどんな感じですか。

田中: これはですね、私もずっと考えていることであるですけれども。世の中のアプリケーション開発で必要とされているのは、どれだけ早く、高速に進化していくテクノロジーをビジネスに取り込んでいけるかっていうところだと思ってるんですよ。なのでセールスフォースは、Dreamforceとかでも、高速なアプリケーション開発みたいなところをメッセージとして出しているんです。どうあるべきか、No-Code、Low-Codeという話もあって、これに対してのプロフェッショナルコーディング、Pro-Codeっていうところをわけて説明していますが。開発をするアプリケーションを構築するっていう点においては、それぞれを適切な場所で、適切に使い分けていく必要があると思ってます。No-Code、Low-Codeっていうのは、元々ですね、モバイルアプリ開発とかで、開発者が高速にモバイルアプリを作っていくために出てきた言葉でもあります。なので、そもそもNo-Code、Low-Codeっていうのは、開発者のためのものだった訳ですよね。No-Code、Low-Code高速に開発していくっていうためのものであったり、Pro-Codeにおいても、セールスフォースは、Salesforce DXとかのCLIコマンドを出していて、自動化を進めていたりですね、LWCはオープンソースのWeb標準に沿ったテクノロジーだってことで、学習コストの低減なんかも目指したりしています。あとは人材不足っていうのもあったりして、そういうところに対しては、このNo-Code、Low-Codeっていうのは、いわゆるコードを書けない人でもアプリケーション開発に関われるっていう意味で、人材開発、人材不足の軽減っていうところも目的としているので、全てはこのアプリケーションを高速に回していく、そして色んな人を開発に巻き込んでいくっていうところを目的として、テクノロジーの進化を続けていると思っています。

永野: なるほどね。たぶんですね、色々な人達に裾野を広げてるよ、その時には何を選ぶかってちゃんと考えますよね、っていうところだと思うんですけど、やっぱりそこで、今までやってきた人達が、クラウドに移行したりだとか、セールスフォースやろうというふうに思った時の選択肢があまりにも多くなってきているので、判らない部分が結構多いのかなと。やっぱりセールスフォースのメッセージとしては、こういう時に、こういうものを使いましたっていうものを、もっとクリアに出していくべきかなと思ったりするんですけど。そういう観点で言うと、エバンジェリストみたいなのは、構築パターンとか、何をこういうときに使いました、みたいなメッセージを出していくべきだと思うんですけど、それはどうですか。

田中: その通りですね。No-CodeとLow-Codeをどう組み合わせるかとか、Low-CodeとPro-Codeをどう組み合わせるかっていう話は、勿論あるんですけども、その中でもPro-Codeの中でもこの技術はこういう風に使いましょうとか、Low-Codeの中でも、セールスフォースでいえばWorkflowであったり、Flowであったり、Process Builderみたいな、Low-Codeで自動化を実現する技術っていうのがたくさんあるんですけど。それをどういう形で、切り口で見るかによって全然違ってくるので、やるべきではあるんですけれども、やり方はまだ模索してるっていう感じではありますね。

永野: エバンジェリストから、まだわかんないですねって言われちゃうんだと、やっぱり世間の人も分からないだろうなっていう気がしますよね。ありがとうございます。そうですよね、やっぱり現場で何が最適かっていうところを考えていただくのは、我々のパートナーさんだったりだとか、お客様だったりだとか、我々はそれに対しての援助をしていくっていうところでの、業務をしていく訳ですけど。何かしらメッセージとして、こういう場合はこうですよっていうのは、もう少し強いものがあってもいいのかなっていう気はしますよね。

田中: そうですね。

永野: 坂内さん、そういう話ってお客さまから聞いたりしませんか。

坂内: うちって製品のスピード速いので、実際にインプリをする時に、インプリパートナーさんが、どれだけキャッチアップできてるかって、凄い重要だったりするんですよね。数年前まで開発者の方って、なかなか我々のカスタマーサクセスグループと直接コミュニケーションしてなかったので、よくエンドユーザーの方から、「開発はもうやらない方がいい」みたいな、No-CodeとCodingの対立みたいなのがあったんですよね。ベストプラクティスで、どちらもきちんと使うべきものなんですけど。例えばセールスフォースだと、8:2で標準:開発がいいとは言われてるんですけど、じゃあどういうケースで開発が必要なのとか、AppExchangeとかもあると思うんですけど、本当に標準でがちがちに縛ってもよくないし、だからと言って標準でできるとところを開発にしても良くないしっていうのは、やっぱり色んな失敗例だったりとかあるので、そういうものは整理して、メッセージアウトしていくのは重要かもしれないですね、おっしゃるとおりで。

永野: なるほどね。まあそうですよね、結局標準がいいよねっていうのも、結構過去に色んなことをやり過ぎちゃったっていうところもあって、いろんなところにこう振れながら、時代が変化していってるような気もするし。今だとね、「何のためにカスタムオブジェクトを作ってるんですか?」みたいな言い方をする時もあるんだけど、作っちゃうと結構トラブルよっていうところがあって、でも昔はそれじゃないと作れなかったものがあったけど、今はねHerokuで簡単に作れるようになったりだとか、Heroku Connectで同期できるんだから、別のところは別でやればいいじゃんみたいな言い方ができるようになったので、そういう言い方してますけど、昔はそんなことできなかっただろうな。

坂内: そうですね。選択肢も結構ムリクリ言わなきゃいけなかったところもあったりしたので。はい、するのもありましたね。

永野: なるほどね、ありがとうございます。じゃあちょっとトピックを変えて、Developer Communityだとか、セールスフォースには何個もCommunityがあると思うんですけど、Trailblazer Communityって一括りにしちゃってもいいのかどうかもよく分からないですが、ちょっとお話していこうかなと思います。Herokuをやっていただいている人達は、「そもそもTrailblazer Communityって何?」ていう部分もあると思うので、Trailblazerって言い出したのは3・4年前だと思うんですけど。

坂内: そうですね、4年前ぐらいですね、はい。 永野: そもそも「Trailblazer Communityって何ですか?」って言われたら、坂内さんはどう答えてるんですか。

坂内: Trailblazer Communityって、セールスフォースの製品に関連する話をする場ですかね。結構立場が、多分他のITベンダーと違うのは、会社の方はもちろんなんですけど、いわゆるシステム管理者の方とか、ビジネスユーザーの方とか、経営層の方とか、同じ場で議論してるコミュニティというところですかね。

永野: 開発者の人達で、例えばにLWCついて語りたいとか、Process BuilderとかEinstein VisionだとかEinstein Languageだとか使って、こういうことやってますよみたいなものをシェアしてるっていう。

坂内: そうですね。テーマだとか製品だったりとか、色んな軸で、色んな立場の人が、このコミュニティの中で、勉強会とか、議論する場ですかね。

永野: それに入ると、パーカー貰えるんですか。

坂内: えっとね、パーカーは、Community Leaderしてたりとか、あとTrailheadという学習ツールがあるんですけど。Herokuもあるんですかね。

永野: HerokuもSWAGみたいなのは何個もあって、結構イベントで配ったりもしてます。

坂内: すいません、勉強不足で。

永野: パーカー配るようなイベントは、そんなにないですけど。

坂内: そうですか。あとはやっぱりTrailblazerが、「先駆者」という意味なので、結構自社の活用促進進めて、変革したとか、TrailheadでRangerになったなとか、変革した人にあげてます。

永野: でも4年前に言われた時、「何このTrailblazerって」っていう印象だったですけど。

坂内: 日本語に訳したらどうしたらいいだろうねって、結構迷ってましたよ。

永野: でも大きくなりましたよね。やっぱり一大ムーブメントみたいな感じで、勿論セールスフォースに関わってる人しか感じないでしょうけど。凄い成功してるなっていう気はしますもんね。一つイベントやっても凄い集まりますもんね。

坂内: そうですね。Trailblazerというキーワードは、全社をあげて掲げてますからね。

永野: その時から、Astroだけじゃなく、いろんなマスコットが出てくるし。

坂内: そうですね、何が起きたんですかね。わかった。Marc (Benioff)が、他の会社と同じじゃ嫌だって言って、ああなったらしいですね。

永野: 結構セールスの人達の中には、ちょっとchildishだっていう風に思って使いたくないみたいなことがあるみたいですね。

坂内: 最初はありましたね。もう今みんな慣れちゃってるのかもしれないですね。

永野: マスコット持つことが凄い事みたい。Herokuは頑なに持たないですけど。

坂内: まあね、ありますよね。そういうね。あの賛否両論をね。

永野: MulesoftのDonkeyはどうなのかなと思ったけど、Muleはね、ロバ(ラバ)だからしょうがないですよね。なるほど。これからCommunityどうしていきたいなとかってありますか。Tableau Communityとか、Mulesoft Communityとか、Heroku Communityとか、どんどんインタラクティブにしてほしいなと僕は思ったりするんですけど。

坂内: まさにそれが目指す姿ですし、何だろな、いわゆるセールスフォースのOhanaの、ファミリーではあるので、色んな新しい製品とか、どんどんセールスフォースに携わる方々のコミュニティは増えていってほしいですし。そこだけで留まらずに、Tableauさんだとか、Mulesoftとかのコミュニティの良さってあると思うので、もちろんHerokuもそうですけど、一緒にイベントとか、Communityのディスカッションですかね、することで、もっとCommunityとして活性化していきたいなとは思ってますけど。

永野: これは坂内さんに聞いてみたかったんですけど、僕も製品として、セールスフォースに携わって、HerokuのCommunityの方達と話をしたりするんですけど、やっぱりUser Communityって、ユーザーが主体となってどんどんやっていかないといけないとは思って。その会社にいる人の立場としては、どういう関わり方が一番いいのかなみたいな、焚きつけないとなかなか盛り上がらない部分もあったりするし、逆にやり過ぎちゃっても「お前はユーザーじゃないだろ」っていうところもあるし。

坂内: いやいやユーザー、ユーザーじゃないだろってのは開発者の方のことを言っていますか。

永野: 例えば僕、HerokuでRubyのコーディングで運用してる訳でもなくて、売ってる人でしかない訳ですよ。また会社の方の人なので、売れてくれてなんぼ、みたいなところがあるんですけど。ただその時に、Community Leaderってわけでもないしたみたいね。

坂内: 永野さんはうちの社員だからね。

永野: そう、だから坂内さんは、どういう感じで、コミュニティの人たちとの立ち位置みたいなの、どうなのかな。

坂内: あー、そういう質問ね。あんまりね、何だろな、自分でやったりせず、皆さんのやりたい事とか、行なっていきたいっていうところとか、あと、会社の中でもやっぱりポジションってあると思うので、コミュニティの人じゃないので皆さん。どこかの企業に属している方なので、その中でどうしたらその人が成功するのかなっていうところを考えながら、考えてるところですかね。とにかく自分が主役じゃないので、お客様だったり、パートナーさんが主役なので、そこはもう絶対ぶれないように。田中さんはエバンジェリストなので、メッセージアウトという意味では、どんどん前に出て欲しいですけど。やっぱりコミュニティを活性化する人が前に行ってると、何のコミュニティーか分からなくなるので。やっぱりその周りの人がどう主役になるかみたいなものは凄く考えながら、動いているつもりではありますね。難しいですけどね。

永野: そうですよね。僕も立ち位置をずっと模索しながらの5年間だったなっていう気がしてて。始めの2・3年とかは、取り敢えずほっとけみたいな感じだったんですよね。そんなにね、僕の方でやるべきじゃないなと。でもそうすると、廃れてきちゃう感じもあった気がして、それはそれで悲しいなっていうところから、色々やったりとか。メッセージアウトする人間がそもそも僕しかいないというところも出てきてるんで。最近はもうツイッターで取り敢えずLikeすることが業務みたいな感じになってきちゃって。

坂内: なんかツイッター、面白いですよね、永野さんね。

永野: 一応オフィシャルな顔と、自分のことは変えるようにはしてるんですけどね。

坂内: ツイッターはどっちの顔なんですか、あれ。

永野: Twitterも2つ顔を持っているってことです。

坂内: なるほどね、Herokuのやつと。

永野: Herokuアカウントは中の人として僕がやってるんですけど、あれはとにかくHerokuについての質問があった時に追っかけて、答えるように最近するようにして。昔はやめてたんですけど、「それはカスタマーサポートに任せるべきだ」と思ってたんだけど、いい加減サポートに問い合わせなくても助けちゃえと思って。 坂内: 良いと思いますよ。 永野: 個人的なアカウントの方は、基本的に相撲とかプロレスの話しかしないよ。

坂内: たまにパーマンの話とかね。

永野: それは、ツッコミ入れてただけですよ。「間違ってるよ」みたいな。

坂内: ああ、そう。

永野: ありがとうございます。最後なんですけど、今日は3月10日火曜日に、このポッドキャスト録音させていただいていて、コロナウイルスの話がピークになって、経済もすごく落ち込みそうで、なんか暗い雰囲気だったりはするんですが、何かこれからデベロッパーエバンジェリストとしてのイベントとか、Webinarとか何か宣伝したいことがあれば、お受けしたいなと思うんですが。何か、これから考えてるイベントとがありますか。

田中: そうですね、おっしゃっていただいたWebinar、前任のエバンジェリストがいらっしゃった時は、開発者向けの定期的なWebinarっていうのをしていたんですけれども、今止まっていて、これを4月からまた再開しようと思ってます。私だけじゃなくて社内の、普段お客さんと対面しているようなエンジニア達がトピックを持ってですね、毎月一回ずつぐらいやってくださるっていうところで再開していくので、そちらへの参加よろしくお願いします。あとは、3月ですね、今月もう始まってるんですけど、セールスフォースの開発者向けブログ投稿キャンペーンやってます。今月ですね、投稿していただいて、専用のフォームでですね、サブミットしていただくと、抽選で3名様にAmazon Echoが当たるというキャンペーンをしているので、ぜひご参加ください。あとごめんなさい、もう一個、セールスフォースデベロッパージャパンのツイッター公式アカウントもあるので、是非フォローしてください。

永野: あとでポッドキャストのページにリンク貼っておきますので、後でURLください。坂内さんなにかありますか?。

坂内: 大丈夫です、私Twitterのフォロワー全然増えなくてもいいと思って。

永野: 炎上させればどんどん増えるらしいですよ。

坂内: いいですよ。はい、全然増えなくていいと思ってるので。独り言いい続けてますよ、これからも。大丈夫です。

永野: 何か気が向いたら突っ込むようにしてますので。

坂内: ありがとうございます。

永野: ありがとうございました。普段聞けないような話もしていただけたかなというふうに思いますので、これからもこういった社内でインタラクションもないけど、製品の軸を超えた感じで、お付き合いできたらいいなと思うので、今回は僕が誘いましたけど、今度はそっちからも誘ってください。

坂内: 是非コミュニティ来てくださいよ。

永野: 誘われらないから行ってないから。

坂内: 誘われたら嫌なのかなと思って、ツイッター経由でしかコミュニケーションしないようにしてたんです。

永野: チャネルは結構選びますけどね。電話かけてきたら冷たいですけど。

坂内: じゃツイッターのメッセージかなんかで、そうします、はい。

永野: そうですね。何でもいいですけど、例えばWebinarとか、ブログとか、Heroku関わってほしいなと後になってから思ったりもするので。

坂内: ぜひ。分かりました、よろしくお願いします、はい。

永野: 今日はどうもありがとうございました。

田中: ありがとうございました。

坂内: ありがとうございました。

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